まるで新築!?火事の現場を生まれ変わらせるためのガイドライン
『住宅火災に遭う確率 1年間で0.024%』
これはある統計データから導き出された数字です。
この数字を小さいと思う方のほうが多いかもしれません。
実際にご自身や身近な人が経験しないと、なかなか現実的にはとらえにくい話題ですよね。
ですが、誰もが当事者になりえることであるのもまた事実です。
では、火災が起きた家はその後もまた住めるようになるのでしょうか?
今回は火事に遭っても住み慣れた住まいを生まれ変わらせるために知っておいてほしいことをご紹介します。
火事に遭った家を生まれ変わらせるために必要なこととは?
火事に遭った場合、どんな改修工事ができるかどうかは現場の状況によって異なってきます。
場合によっては改修工事では被害をカバーできず、建て替えを検討する必要がある場合もあります。
「家は元の状態に戻すことができるのかな。」
「何をしなければいけないのか分からない。」
このように不安に思われたら、ご確認いただきたい大切なことが2つあります!
それは「現場調査」と「火災保険」!
なぜこの2つが大切なのか、ひとつずつご説明しますね!
プロにお願いする現場調査で分かること
はじめに、「プロに現地調査をお願いすること」についてです。
火事に遭った家のリフォーム(もしくはリノベーション)が可能かどうか、現地調査なしで判断するのは非常に困難なのです。
現地調査では、主に以下の2つのことを調べます。
①建物の被害状況
再利用できる部分とできない部分を見極めます。
また、後でご紹介するリフォームやリノベーションといった修繕方法ができるかどうか、またどの方法が適しているかを判断するためにとても重要となってきます。
②火災鎮火後の臭いの有無
火災があった現場では鎮火後に火災臭と呼ばれる、建材などが焼け焦げた独特の臭いが残っていることがあります。
少量の臭いでも過敏に反応してしまう場合があるため、放置しておくと人体への影響も大きいといわれています。
継続して同じ家に住まわれることを検討される場合は、火災臭を取り除く必要があります。
損しないために知っておきたい火災保険
「火災保険」と聞くと、火事に備えるための保険ということはイメージしやすいですね。
ですが、火災保険が実際にどこまで補償されているのかしっかり把握されている方は多くはないのでしょうか。
いざというときに慌てないためにも、きちんと確認しておくと安心です。
火災保険の原則は実損払い。
つまり、実際に被害を被った金額以上の補償を受けることが基本的にはできません。
保険の契約内容によっては保険金額の上限が決まっていて保険金のみで実質被害額をカバーできなかったり、保障される範囲が異なる場合がありますので、既に保険に入られている方は内容を確認してみましょう。
火災保険に加入される際に、補償されるもの範囲が「建物」なのか、「家財」なのか、それとも「両方」なのかを決められているかと思います。
家財は家の中の家具や家電、雑貨などを補償してくれますので、こちらもぜひ補償範囲かどうか確認してみてください!
そして火災保険を請求する際に必要になるのが火事に遭った家の写真です。
大変な状況を経験されている中で、なかなか写真を撮ることは気が重いかもしれませんが、後々大切になってきますので忘れないでください。
また、火災保険を使う場合は工事をお願いする業者が火災保険を適用した工事実績があるととても心強いので、業者を検討される際に確認してみてくださいね。
どちらがいいの?リフォーム or リノベーション
最近では、雑誌やテレビの情報番組などで「リノベーション」という言葉をよく目にする機会が増えたような気がします。
「リフォーム」と似たような意味で使われることが多いですが、具体的にはどう違うのかご存知でしょうか?
この2つの違いについて、そしてそれぞれ具体的な内容についてご紹介します。
リフォームとリノベーションの違いとは
リフォームとリノベーション、この2つの言葉には明確な定義はないのですが
一般的に「リフォーム」とは、建物の原状回復のための修繕や不具合箇所への部分的な改装、これに対し「リノベーション」は既存の建物に新たな機能や価値を付け加える改装工事のことを意味します。
一言でいうと
リフォーム=元に戻す
リノベーション=新たにつくり変える
このような違いがあるのです!
そしてこの2つは、どちらが良くてどちらかが悪い、というわけではなく目的によって選択が変わってきます。
それではそれぞれどんな場合におすすめなのか、リフォームとリノベーションのメリットとデメリットを確認しながらご紹介していきます。
火事の被害状況が小さい場合におすすめのリフォーム
リフォームは建物全体ではなく、部分的な改修が必要な場合に取り入れられることが多い工事です。
【メリット】
・工事範囲によっては費用が比較的安価に抑えられる場合がある
・工事期間が短い
・規模によっては工事期間中も家にそのまま住める
【デメリット】
・「室内の動線を改善した」、「設備を加えたい」など新しい付加価値を加えることが難しい工事範囲が限定的だからこそのメリットとデメリットですね。
これら考え合わせると、リフォームは比較的火事の被害状況が小さい場合に適していると言えそうです。
火事の被害状況が大きい場合におすすめのリノベーション
リノベーションは、工事範囲が建物全体に及ぶ大規模な改修工事です。
【メリット】
・耐火性や耐震性など機能を向上させたり間取りをかえることにより以前よりさらに住みやすい空間に変えることができる
【デメリット】
・比較的工事費用が高い
・工事期間が長い
・工事する範囲や規模によっては工事中に仮住まい先を探す必要がある
またリノベーションと同義で使われることもある「スケルトンリフォーム」という言葉があります。
スケルトンリフォームは柱や基礎などのような建物の躯体以外全て解体する工事で、「フルリノベーション」「スケルトンリノベーション」と表現する場合もあります。
ひとことで言い換えれば、スケルトンリフォームは建て替えの一歩手前、ほぼ新築といっても過言ではありません。
もちろん費用が高くなってはきますが、火事に遭った住まいでも新築同様に生まれ変わることができる方法があることを知っておくだけでも、選択肢の幅がぐっと広がるのでより後悔しない選択ができますね。
住み慣れた我が家を生まれ変わらせて新しいスタートを
火事は人生で何度も経験するというものではありません。
その一方で、誰もが経験する可能性があるのも事実です。
万が一でも火事に遭われた場合、安心して寝ることができる住まいがあるかどうかでも精神的負担が変わってきます。
新しいスタートを切るために、まずは現場調査をプロにお願いすることから始めてみませんか。
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